個人再生だと生命保険や退職金はどうなるの?

自己破産の場合は、解約返戻金が20万円以上ある生命保険は原則として解約をすることになり、退職金であれば受け取り見込み額の8分の1を債権者へ配当すべき財産として用意をしなければなりません(詳細は「自己破産すると生命保険ってどうなるの?」、「退職金がある場合の自己破産はどうなるの?」)。

個人再生だと生命保険や退職金はどうなるの?

では、個人再生の場合はどのように扱われるのでしょう?同じように解約され、債権者に配当されてしまうのでしょうか?

今回は、個人再生の場合の生命保険と退職金の取り扱いについてご説明します。

生命保険の解約返戻金は財産として計上

結論からいえば、個人再生の手続きの中で生命保険を解約しなければならないということは一切ありません。個人再生では、生命保険を解約し、解約返戻金を債権者へ配当するのではなく、解約返戻金は単に個人の財産として計上することになります。

個人の財産のことを、個人再生では「清算価値」といい、生命保険の解約返戻金は清算価値として裁判所に報告することになります。

退職金も同じように財産として計上

生命保険と同じように、退職金も財産として計上することになります。
ただし、退職金といってもすぐに受け取れるものではありませんので、自己破産と同様、個人再生の認可前時点の受け取り見込み額の8分の1が財産として計上されます。

ただし、すでに退職していて、退職金を受け取っている場合は受け取ったすべての額、退職予定であれば、その4分の1が計上されるべき財産とされ、裁判所にはその金額を清算価値として報告します。

清算価値の総額によっては返済額の増大も

清算価値というのは、ただ報告するだけのものではありません。
報告する際は「清算価値チェックシート」に他の項目とともに記載し、その総額によっては再生計画の返済額が増大することになります。

そもそも個人再生の返済額というのは、①100万円 ②債務の5分の1 ③財産の清算価値 の中から一番高い金額のものに設定されているため、清算価値が高額になってしまうと、債務の圧縮効果をあまり得られなくなってしまうのです。

個人再生では住宅以外の財産も守れる

しかし、自己破産とは違って、生命保険の解約や退職金の配当をする心配がないため、保有する財産をそのまま保持することも可能です。

個人再生といえば、住宅を保持したまま借金返済できるというメリットに注目が集まりますが、自己破産と比較をしてみれば、他の財産を守ることができる手続きと言い換えることもできます。

こうした点から、自己破産ではなく個人再生にチャレンジしてみたいという方は多くいらっしゃいます。とはいえ、個人再生は法的にも煩雑な手続きとなっていますので、専門家への依頼を検討したほうが無難といえます。

なお、上記の生命保険や退職金といった清算価値の取り扱いは、管轄となる裁判所の運用によっては、若干異なることもありますので、必ず事前に管轄となる裁判所に確認をとる必要があります。

カテゴリー:個人再生

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