オーバーローンってどんなとき?どうなってしまう?
オーバーローンというのは、残っているローンに対して持っている物件の価値が低くなってしまった場合のことを言います。

住宅購入時に住宅の担保とされる借金の総額が、現在の住宅の換金価値の1.5倍以上(裁判所によって若干の違いはあり)となっていた場合がオーバーローンに該当します。
自己破産手続きは、破産者が住宅といった不動産を所有している場合、原則として破産管財人が選任されることになります。
しかし、その不動産がオーバーローン状態である場合、管財事件としてではなく、同時廃止事件(詳細は「同時廃止事件、管財事件ってなに?」)として申し立てることが可能となっています。
オーバーローンがあった場合の自己破産
破産手続きが、同時廃止事件となるか管財事件となるかというのは、予納金の関係などにおいても、破産者への負担が大幅に違ってきますので、なるべく同時廃止事件として処理されるに越したことはありません。
つまり、不動産を所有しているにも関わらず、同時廃止事件として処理される可能性のあるオーバーローン状態は破産者にとって有利になります。
自宅がある場合の自己破産は、必ず不動産の価格査定をし、オーバーローン状態になっていないかどうかを調べるようにしましょう。そのまま管財事件として処理されてしまうよりも、破産者への負担はかなり軽減されることになります。
他に資産があってはダメ
いくらオーバーローン状態の不動産があるとはいえ、他に資産があっては管財事件として処理されてしまうことになります。
オーバーローンというのは換価処分をする意味がまるでないため(現在の価値よりも債務のほうが圧倒的に多いため)、財産なしと判断されているだけです。決してオーバーローンが理由で同時廃止事件として処理されるわけではありませんので注意してください。
オーバーローン状態というのは、価値が担保金を下回っているのだから、仮に換金したとしてもすべて担保権者が回収して終わりです。むしろ、換金するのに必要な手続きに無駄なお金がかかってしまいます。
しかし、他に債権者に対しても換価する財産があるとなれば、同時廃止事件として処理されることはありません。あくまでも、資産がオーバーローン状態の不動産のみであった場合に限り、同時廃止事件として処理されるということです。
自宅はそのまま残るが・・・
上記のように、オーバーローン状態の不動産は換価処分をする意味がありません。よって、裁判所は換価処分する権利を放棄しているといえます。
となると、同時廃止事件になるため、破産後であっても自宅はそのまま残ることになります。しかし、そこに継続して住み続けられる可能性はほとんどありません
もちろん自宅の担保権者次第とはなりますが、債権の管理上、担保物件をそのまま残すようなことはありえません。最終的には競売手続きにかけられるか、任意売却をするか、という選択を迫られることになります。
カテゴリー:自己破産
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