自己破産の具体事例(その2)

Hさん(31歳)は学生のころから、どうしてもギャンブルを止めることができず、それは社会人になってからも変わりませんでした。社会人になり消費者金融からのキャッシングが容易にできるようになってからは、自身の収入に見合わない金額をギャンブルにて浪費するようになり、少しずつそれが当たり前となっていたのです。1ヶ月のギャンブルに充てる金額が自身の収入を超えることがあっても、「勝って取り返せばいい」という考えから、気付けば借入限度額まで借金が積み重なっていました。

元々、Hさんの1ヶ月の収入は30万円ほどあり、特に問題もなく返済をしてはいたのですが、持病の悪化から会社を辞めざるを得なくなり、就職活動をしながら失業保険金で生活をすることになってしまいました。その間、支払いにまわす余裕がなく返済が滞ってしまったところ、消費者金融からの催促の電話が鳴り止まなくなってしまい、債務整理の相談にこられました。Hさんは相談時、合計4社から総額500万円もの借入をしていて、1ヶ月の返済額は12万円にまで及んでいました。

Hさんが500万円もの借金を返済していくためには、それなりに安定した収入がなければなりません。しかし、持病のさらなる悪化も懸念されるため、継続できるかどうかわからない返済をしていくよりも、自己破産をしてしまったほうが本人のためになるのではないかと判断しました。

今回のような場合、借金の積み重なった理由がギャンブルによる浪費行為であるため、破産法上の免責不許可事由に該当しています。通常であれば免責は認められないのですが、Hさんの現状をかんがみるに、将来的に返済していける見込みがあるとは言い切れないことと、浪費し続けてしまったことに対して多大なる反省が見られたため、裁量免責(裁判官の判断による免責)を前提に自己破産手続を進めていくことにしました。

結果として、裁判所からは無事に裁量免責を得ることができました。裁量免責を求める場合、裁判官による審尋(裁判所へ直接足を運び裁判官と面接をすること)が実施されることがほとんどです。もちろん審尋には同席させてもらい、裁判官にはHさんの今までの行いの反省と今後の生活に対する展望を理解してもらえるように、お力添えをさせていただきました。

自己破産の具体事例(その1)